地域によって大きく変わる?保育士の働き方(川崎市)

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保育園を取り巻く環境の変化

 保育士を目指そうとしている皆さんにとって、まず気になるのは最近の保育事情なのではないでしょうか。これによって、保育士に求められる役割も変化するので、当然ですよね。

 最近では、少子化が進み未来を担う若者の減少が憂慮されています。しかし、その一方で、財政や人手・施設の不足などにより、保育園に預けたくても受け入れてくれる保育園が無いという悩みを抱えているお母さんやお父さんも多くなっています。このように、保育園をめぐる環境は盾矛があり、子育てをする方にとって必ずしも良い状況とは言えないものとなっています。また、このような子育てをめぐる様々な問題は、都市部と地方とで、その格差が目立っているようです。その背景には、都道府県や市区町村によって財政事情が異なっていることや、都市部に人口が密集していることがあります。例えば、神奈川県内でも横浜市と川崎市では差がみられます。

 この横浜市と川崎市の差のように、様々な問題を抱えている保育園をめぐる状況がありますが、国はこの状況をどのように打開しようとしているのでしょうか。

 この解決策の一つとして、政府が提案をしています。それは、平成24年8月に「子ども・子育て関連三法」が可決・成立、公布されたことです。この三法では、幼児期の学校教育や保育、そして地域の子どもの子育て支援を、総合的に行う目的でつくられたものです。この法律が成立したことで、国として全国に広がる待機児童の問題や地域や自治体による格差の是正に取組み始めたということができます。

 では、この「子ども・子育て関連三法」という法律は一体どのような内容の法律となっているのでしょうか。ここから、簡単にその内容について触れたいと思います。

 まず、一つ目の法律は、「子ども・子育て支援法」という法律です。これは、最近ニュースでも話題となった認定子ども園や幼稚園・保育所を通じた共通の給付であったり、小規模で行っている保育施設などに向けた給付するための制度を新しく設けるものです。これによって、各地域のこどもの子育てを確実に支援できるように体制を整えていくことが目的となっています。

 次に、「認定こども園法の一部改正法」です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、学校そして児童福祉施設としての法的な位置付けをするものとなっています。この、認定こども園というのは、正式な名称を、幼保連携型認定こども園と言います。そして、この認定こども園について、単一の施設として認可・指導監督などを一体化した上で、先程も述べた位置付けを行うものとなっています。

 最後は、少し長い法律の名称となっています。「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と言います。とても長くて難しそうな名前ですが、要するに前にご紹介した二つの法律の正しさを証明するための補足ととらえて良いものです。

 以上が三つの法律になり、この法律に基づいて、平成27年度から新しいこどもや保育園をとりまく制度がスタートした状況となっています。

市区町村によって異なる保育士の働き方

 ここまで、保育士になりたいと考えていらっしゃる皆さんにとって、第一に気になると考えられる最近の保育園や子育てをめぐる環境がどのように変化しているのかについて簡単にご説明してきました。主に、子ども・子育てに関して最近の制度がどうなっているのか、「子ども・子育て関連三法」を中心にみてきましたが、少し難しかったかもしれません。では、簡単に言えば、様々な子どもや保育園をめぐる課題を踏まえて、今後はどのような制度で進められていくのでしょうか。それは、次の三つに分ける事が出来ます。

 まず第一は、「質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供」を保障することです。これは、従来の子どもの子育てや保育園をはじめとする幼年の子どもを対象として教育の質を、今の社会に合ったものとしてさらに良質なものとすることが目指されています。第二は、「地域の子ども・子育て支援の拡充」です。課題に応じて国が定めた目標を実現しようと、子どもを持つ親や子どもを教育する保育士の方がどんなに良い教育を施したいと願っても、それを国がしっかりと支援しなくては現実に変えていくことは困難です。その支援について、現実のニーズを受け止め、確実に支援の手を行き渡らせようというのが二つ目となっています。最後に第三は、「保育の量的拡大・確保」です。冒頭で、最近の子育てや保育園をめぐる課題として、少子化が進む一方で、都市部などでは人口が密集することや市区町村の財政状況などを背景として、待機児童の問題を抱える自治体も多くあるという問題を述べました。この三つ目の目標は、これらの問題に対応するものとなっています。

 国の定めた「子ども・子育て関連三法」の目的とするところは、以上の三つとなります。現在の子育てや保育園はこのような目標のもとで、行政を担う市役所の方や、現場で子どもの目線から行政に働きかける現場の保育士さんの努力によって、推進されています。

 では、このような新しい制度のもとで、保育士さんの働く保育園はどのような変化があるのでしょうか。これは、各市区町村によって大きく異なっています。

 神奈川県のような大都市においては、財政基盤も安定しているため、新しい取り組みが盛んに取り入れられています。しかし、一方で横浜市や川崎市といった各市区町村の内状は異なります。そのため、横浜市や川崎市など各市区町村によって、自らの自治体にとって最も解決しなくてはならない課題を見据えて、様々な取り組みがされています。そして、そこには当然特色の違いもでていきています。横浜市や川崎市、それぞれの特色についてこの後みていきたいと思います。

横浜市と川崎市それぞれの保育士の働き方

 ここまで、各自治体による子育てや保育園をめぐる課題と、それに対応する国の政策について簡単にご説明してきました。また、これらの新しく掲げられた目標は行政の方と現場の保育士の皆さんの努力によって進められているのだという点も述べて来ました。ここで、実例として、同じ神奈川県の中でも、それぞれ特色の違いをみることが出来る、横浜市と川崎市について、どのような課題の解決を見据えてどのような行政の力のもとで取り組みをおこなっているのか、簡単にみていきたいと思います。

 まずはじめは、横浜市について、新しい制度のもとで、どのような取り組みがされてきているのかについて簡単にみていきたいと思います。

 横浜市では、平成27年に国が新しくスタートさせた「子ども・子育て新制度」で定めた取り組みに出来る限り対応して行こうとする様子がみられます。このように、国が定めた新しい取り組みをすぐに実施しようとする横浜市では、従来の子育てや保育園の課題が比較的少なく、安定した子育てに関する行政の余裕も官なじられます。その背景にあるのは、財政基盤の安定と、市民達が意欲的に行政に関わろうとする自治力の高さがみられるのではないでしょうか。このことは、横浜市で

 次に、必ずしも横浜市のように財政基盤が安定しているとは言えず、また、従来の子どもの子育てや保育園をめぐる課題が少ないとは言えなかった川崎市について、簡単にみていきたいと思います。同じ神奈川県内であっても、異なる保育環境を抱えて来た二つの市区町村を並べて比較することでその際が明確になります。これによって、どのような地域で保育士として働くのか悩んでいる、という保育士志望の方にとって、良い検討材料となるのではないでしょうか。

 川崎市では、従来の子育てや保育園をめぐる課題として、待機児童の増加が深刻な問題としてありました。政令指定都市の中ではワースト1位にもなったことがあるほどで、川崎市の行政サイドの方や現場の保育士さん方も悩んだことと思われます。このような深刻な課題を抱えて、川崎市が行っている施策の一つが保育園の民営化です。この、保育園の民営化の中で目指されているのは、預ける親にとっての効率性の重視と、教育する保育士にとって効果的な保育が行える環境の整備の重視です。前者では、例えば駅の近くに保育園を設置するなど、働く親にとってなるべく不便のないような工夫がされています。これによって、仕事と育児の両立ができるようになることを目指しています。また、後者では、民営化ならではの施設内の設備の充実や、地域の子どもに適した保育カリキュラムの充実を保育士さんが実施できるような工夫が目指されています。

 以上のように、各自治体によって取り組みは異なり、保育士さんに求められる役割も変化します。ご自分の働きたいと思う自治体を探して欲しいと思います。

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